一週間前、上海行きの飛行機に乗った時のことでした。二度もの驚きを 覚える旅になるとは思いませんでした。
席に座ると隣にいる二人の女性客が交わしている中国語が聞こえてきま した。僕が中国語で「日本で仕事していますか。」と質問してみたら 「ハイ。」と答えました。続けて、「故郷はどこですか。」と聞くと、 その一人から「我是日本人」と言われました。その時に僕は驚きを覚え ました。ここまでネイティブ並の中国語を話せる人は少ないため、とても 感心しました。彼女の名はハシモトさんです。
次に「あなたは日本人ですか?」と逆に聞かれて、僕が中国人だと答える とハシモトさんもびっくりしたようです。
もう一人の女性は中国からの「研修生」です。彼女は三重にある縫製 工場で三年間の仕事を終え、江蘇省にある実家に帰ろうとしていました。 二時間の間、彼女から三年間の日本での生活を聞かされてショックを 受けました。内容は定かではないので詳細を差し控えておきますが、 要は日本での生活は過酷の毎日で、辛い思い出しかありませんでした。
彼女は笑いながら経験したことを話ししてくれましたが、日中間の仕事 を携わってきた僕にとって大変心苦しい話でした。海外にいる人は一人 一人が民間大使だとある外交官の話を思い出しました。それなら、この 外交は失敗に終わったのは間違いありませんでした。
実情はいろいろあるかもしれませんが、お互いに言葉が通じていなかった ことが一番の問題だと僕が感じました。亡くなられたダニエル・イノウエ さんのインタビューを観ました。外交は人間関係から始まるとイノウエさん がおっしゃったことに共感しました。人間関係においてやはり言葉が一番 重要だと改めて思いました。
ずっと流暢な中国語で話してくれたハシモトさんの目的地は鄭州だそうです。 翌日の仕事に間に合わせるため、深夜に鄭州に着くと聞きました。大阪に 戻ったら飲み会でもしましょうと約束して浦東空港で別れました。
もうすぐ新年になります。ブログを読んでくださった皆様に感謝と祝福を 申し上げます。これからも引き続きお付き合い頂ければ幸いと存じます。
Merry Christmas & a happy new year!新年快楽!