1月28日に、時事通信から「初デフォルト、回避へ=「影の銀行」商品-中国」 というニュースが流れました。ちょうど同じ日に、上海法人のメインバンクの 支店長からいつもの金融商品の案内メールが届きました。
支店長の薦めで試しに買った金融商品ですが、今まで問題なく確実に返済され、 しかも日本の定期預金金利の数十倍以上の利回りが付いているので、ずっと 日本で生活している僕にとっては実に信じ難い内容でした。
リスクがあるにしても、現実は高利回りの金融商品がいたるところに浸透しています。 その大きな原因は銀行に対する目に見えない信用があると感じています。
上海法人を設立する際、法人口座を作るために友人が例の銀行の支店長を紹介して もらいました。中国の5大銀行と呼ばれている一つの銀行の支店長さんなら、 偉そうな方かなと思いながら、案内されて支店長室に入ると、少し年上の制服姿 の女性が笑顔で出迎えてくれました。外のカウンターにいるおばちゃんの店員さん と変わらないなと思ったのが第一印象でした。
友人の紹介のおかげで資料の記入もすべて部下がやってくれたので、あっという間に 口座の手続きが済みました。そして、中国のクレジットカードがあればここでの生活には 便利だから持っていますかと聞かれ、まだ持っていないと答えると、銀行発行の プレミアカードを薦めてくれました。普通のゴールドカードよりも年会費が高いようですが、 僕は女性に弱いのでその場で申込書にサインしました。後で考えるとこちらは収入の 証明もなく、信用を証明できる資料は何も提出していなかったのですが、予定通りに 2週間後にカードが届きました。
日本での経験でこの話と似ているようなことがありました。まだ社会人になったばっかりの頃、 初めて車を買うためにローンのことを店の店員に相談すると、収入を証明する納税証明書が ないから無理だと断られました。そこで、実は○○自動車に勤めていますと言った途端、 それなら収入の証明がなくていいよと申込書が渡されてビックリしました。
またそれと対照的に、数年前にマンションを購入する際、収入証明や会社の決算書等々 出しても、自営業ということでなかなかローンの審査が通りませんでした。 結局、ローンが降りた決め手は提出した大阪大学の卒業証書でした…。
日本でも中国でも、目に見えない信用というものは実に思わないところで役立ってくれています。 会社設立時から「無信不立」という孔子の言葉をお借りして会社理念に揚げていますが、 この言葉を検索してみたら小泉元首相の座右の銘だそうです。
改めて日中文化の繋がりを感じているところです。
-----------------------------------------------------------------橋本第2号:「在家靠父母、出外靠朋友。」
台湾で生活している頃、「没有緊(ボアッキン、気にしない)。」という 言葉以外によく耳にした言葉、それが「在家靠父母、出外靠朋友(家にいる間は 両親に、家を出てからは友達に頼れ)。」です。
私は最初、中国語がほとんど話せないまま大学の交換留学生として台湾に渡りました。 そして渡台後半年を経た頃、ビジネスで語学を生かすには1年だけの滞在では 不十分だと急に思い立ち、滞在期間を2年に延ばしました。
元々思いつきで台湾に渡ったため2年分の生活費などあるはずもなく、そこで 中古バイクを買い、免許を取得した上で日本語の家庭教師をすることにしました。 この決断が功を奏し、私の台湾生活はたったの2年でしたが、下は幼児から上は 年配の方まで、期間の割には年齢や職業に関わらず、多くの方と知り合うことが 出来ました。
その出会った人たちに常に言われたことが「在家靠父母、出外靠朋友。」です。 バイクの免許を取る時、家庭教師先を探す時、何をするにも異国で始めて体験する ことばかりで1人ではどうすることも出来ない時、台湾の人は必ず 「在家靠父母、出外靠朋友。」と言って助けてくれました。
頼るのは悪いと素直にお願い出来なかった私を、この言葉を根拠に助けてくれました。 何度救われたかわかりません。
翻ってビジネスの世界を鑑みても、この言葉は生きていると思います。 弊社位置情報サービスを販売するためのアドバイスを下さる方々、案件情報が あった時にシングを指名して下さる方々、これら皆様に支えられてお仕事させて 頂いているということ、実感する毎日です。
勿論「友達」ではありませんので、必ずしも「出外靠朋友(友達に頼れ)。」が 完全に当てはまるわけではありませんが、ITという複雑な業界でも、やはり人間関係が 何より大事なんだと気づかされます。
ただ自戒の念を込めて言うと、自分が努力を怠っていると、この言葉をかけてもらえない ということです。台湾にいる時は日本人という特権もあったでしょうが、自分で考え、 行動していたからこそ助けてくれる人がいたのだと思います。
皆様と良い意味で助け合うことで、シングと成長していきたいです。