8月の後半のある日、久しぶりに合肥市に訪ねました。10年前にオフショア開発が 盛んでいた頃、年数回も仕事のため大阪からここに来ていました。初めて上海で 合肥行きの国内線に乗り換えた時に、30人乗りの小さいジェット機に乗った光景を 鮮明に覚えています。今は動車(中国版新幹線)ができて移動が便利になりました が、ここに来る機会はかなり減っています。
取引のある会社の元社長と1年ぶりに会いました。彼とは大学時代からの友人です。 3年前に元の会社を去り、今は地元の大手担保会社の副総裁として、企業債権の 流通や売買に関する新しい仕組みやシステムの立ち上げに携わっているそうです。
彼からざっくりと仕事の内容を教えてくれました。僕は金融に関して素人ですが、 話を聞いた時に、なぜかリーマンショックを引き起こした原因と言われている金融 商品のことを思い出していましました。ウォール街が不況になってから帰国して再び ファンド会社に入った同級生もいるので、金融で儲けようとする人達はなかり増えて きましたが、製造業やサービス業より金融業の方が儲かっている状況は決していい ことではないような気がします。
ここ数年、法律の緩和によって貸金業者や各種銀行が増え、名の知らない担保会社 や銀行がたくさん現れ、いたるところにその広告が目に付きます。高層ビルが林立 している上海の陸家嘴地区はアジアの金融センターとして計画されているようです が、高度を競って次々と立てられたビル以外のことを知る人はいったい何人いる でしょうか?
かつて、日本の新聞にも金融立国というタイトルの連載がありました。日本もようやく 欧米に並んで、輸出より投資の方が儲かるようになったというような内容でした。 この種の話題はリーマンショックの後にすっかり減ったような気がします。
賃金等のコストが上がり、製造業が儲からなくなりましたので、もっとコストパフォー マンスの高い商売を求めざるをえないとういうのは経済社会の宿命かもしれません。 だけど、利益を限りなく追求し、ビルをできるだけ高く立て、電車のスピードも極限 まで速くすることは本当に幸せなことでしょうか。
今回のメルマガは大阪に帰る客船「蘇州号」の上で書きました。上海から大阪まで 片道が二日間もかかる船の中で、夕焼けを見ながらゆっくりと時間の流れを感じる ような過ごし方もいいと思いました。出港はちょうど台風が去った次の日のため、 かなりの揺れがあって飛行機より辛かったのは確かですが...(笑)
追伸)
当社が運営している携帯サービスで「蘇州号」の移動軌跡を記録してみました。 (結果はhttp://www.xing-group.com/soshugo.jpgで見れます)。 途中で携帯の電源が切れたため記録は中断されましたが、陸地も見えない海の ここまでよく電波が届いたなと感心しました。